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2023.03.01

高血圧について、詳しく解説します。

高血圧

高血圧とは?

高血圧について詳しく解説します。

血圧とは…心臓から送りだされた血液が血管の内部で示す圧力です

「高血圧」とは、心臓から送り出された血液が血管の中を流れるときに血管の壁に正常よりも強い圧力がかかって、それが長期間続く状態です。血管の壁を押す力が「血圧」で、これが一定以上に高い状態のことを「高血圧症」といいます。

高血圧は国民病?

厚生労働省の調査によると、日本の高血圧患者は約4300万人いると推定されております。
人口のざっと3人に1人が高血圧という状況です。国民病と言って差し支えないと思います。

収縮期血圧と拡張期血圧とは?

心臓が収縮して血液が送り出されている時の、最も高い血圧を「収縮期血圧」(上の血圧)、心臓に血液が戻ってきている時の最も低い血圧を「拡張期血圧」(下の血圧)と呼びます。

高血圧症の診断は?どのくらいからの数値が高血圧?

血圧は、健康な若い人では120/70mmHg (収縮期血圧/拡張期血圧) くらいです。正常血圧と高血圧の間には明らかな境界はありませんが「収縮期血圧が140以上」もしくは「拡張期血圧が90以上」の場合を高血圧としています。どちらか一方が上回っていても高血圧です。

高血圧の検査

高血圧の検査方法についてご紹介します。

高血圧の検査・診断

高血圧の検査は、体質や生活習慣が原因の「本態性高血圧」なのか、それとも他の臓器やホルモンバランスなどに原因がある「二次性高血圧」なのかを判断するための検査を行うことがあります。

問診や検査

過去の健診の状況や、生活習慣などについて問診を行います。検査では血液検査・尿検査を行い、頸動脈の超音波(エコー)検査で動脈硬化の進行について確認します。場合によっては心電図検査、胸部エックス線検査などが追加されます。
検査の結果、二次性高血圧の可能性が低いと判断されれば、本態性高血圧として治療を行っていくこととなります。

二次性高血圧の疑いの場合

二次性高血圧の疑いがあるときは内分泌負荷試験(特殊な血液検査)や腹部CT検査・頭部MRIなどの精密検査により、脳下垂体・副腎・腎臓・甲状腺などに高血圧の原因となる疾患がないかを調べます。秋田県では、大学病院や総合病院などの大きな医療機関で行う検査になります。

高血圧の原因

高血圧の原因について、解説します。

原因が特定できない場合は「本態性高血圧」

血圧の上昇の原因が明らかな場合は「二次性高血圧」と呼びます。しかし、これは高血圧全体の10%未満にすぎず、原因が特定できない「本態性高血圧」が大部分を占めています。

二次性高血圧について

「二次性高血圧」の中には、腎臓へ流れる血管が狭くなって起こるものや、血圧を上げるホルモンが過剰になることによって起こるものがあります。これらは、原因に対して治療を行うことで血圧のコントロールが良くなります。
・甲状腺機能亢進症
・腎血管性高血圧
・クッシング症候群
・原発性アルドステロン症
・褐色細胞腫
これらが二次性高血圧の代表的な病気です。
高血圧と診断された時、「二次性高血圧」ではないかを主治医が考える必要はありますが、大部分は「本態性高血圧」です。一般的な治療を行っても血圧がなかなか改善しないときや、血液検査で疑わしい結果が出たときに精密検査を行うかどうか検討していきます。

本態性高血圧について

本態性高血圧では遺伝因子(両親からの、血圧の上がりやすさの遺伝)と環境因子(生活習慣)が複雑にからみ合って発症し、高血圧状態となります。
環境因子として大切なのは、食塩・アルコール・肥満・運動不足などです。両親が高血圧であり遺伝的に血圧が上がりやすい体質の人でも、塩分の制限・節酒・肥満の改善・適度な運動などを心がけて生活環境条件を改善すれば、高血圧の発症を防いだり、発症を遅らせたり、上がった血圧を下げたりすることができます。
遺伝子が同じ一卵性双生児について高血圧を調べた研究結果から、発症には、遺伝因子が60%、環境因子が40%からんでいることがわかってきました。

高血圧を治療しなければならない理由

高血圧を治療しないとさまざまな臓器障害が起きる可能性があります。

なぜ怖い?「高血圧」…起こりやすい大病の可能性

厚生労働省による長年にわたる健康調査や、生命保険の加入者調査などによって、血圧が高い人ほど心臓血管系の病気になりやすくて死亡率も高いことがわかりました。こうした傾向はとくに収縮期血圧が140以上、拡張期血圧が90以上になると急に高まることがわかっています。

高血圧を放置すると大病を招きやすい

心筋梗塞や狭心症などの心臓血管系の病気、つまり循環器病の発症・進展に関係する因子を「危険因子」といいます。高血圧はその中でも重要な危険因子で、その他に高LDLコレステロール血症・糖尿病・喫煙・肥満・運動不足などがあります。また、自分ではどうすることもできない危険因子として、高齢・男性であること・血縁者に心臓血管系の病気を起こした人がいる場合などが挙げられています。
高血圧に他の危険因子が重なれば、心臓血管系の合併症を起こすリスクは当然高まります。
では、どれほど危険が増すのでしょう?高血圧が下地にあって、高コレステロール・糖尿病・喫煙・肥満といった危険因子が増えれば増えるほど、右肩上がりに危険度も増加し、発症率は何十倍にも跳ね上がっていきます。
高血圧治療の目的は、高血圧に伴う臓器障害や心臓血管系合併症の発症予防、さらにそれらが進むことの防止にあります。降圧治療はそのための強力な手段ですが、同時に、他の危険因子をできる限り取り除いた生活にしないと、治療目標としては不十分になります。

心臓血管系疾患の発症率に及ぼす危険因子の影響

左室肥大やたんぱく尿などの臓器障害のある場合や、糖尿病などの危険因子を持っている場合は、早くから降圧薬による治療を始める必要があります。
① 家庭での血圧がいつも高いかどうか
② 本態性高血圧か二次性高血圧か
③ 高血圧による悪い影響(臓器障害)や心臓血管系合併症は出ていないか
④ 他の危険因子をどの程度もっているか(糖尿病・コレステロールなど)
⑤ 他の合併症はないか
これらをきちんと把握することで適切な治療を選択することができます。

血圧が高いことによる脳卒中発症の頻度

治療開始前の収縮期血圧・拡張期血圧の上昇に伴って脳卒中の発症頻度が高まっていきます。そして高血圧を治療することによって、これらの脳血管系合併症の頻度も減ることもわかっています。
血圧が上昇することによる自覚症状はほとんどありません。これが高血圧の怖いところで、症状がないからと放置していると、脳出血や脳梗塞などの命にかかわる病気に繋がっていく危険性があります。高血圧が「サイレント・キラー」と呼ばれるのもまさにこの点にあります。

高血圧の治療について

高血圧の治療について、さまざまな角度からご紹介します。

薬による降圧治療とライフスタイル改善

高血圧の治療には「生活習慣の改善」が欠かせません。「生活習慣の改善」とは、高血圧につながる環境因子や危険因子を除いたり、減らしたりすることです。これは薬の効果だけに頼らない降圧治療であり、自分で行うことができる治療ともいえますので、血圧治療においてとても大切になってくるところです。
もちろん血圧の高さ・臓器障害や合併症・危険因子の程度によっては早期から降圧薬による内服治療となりますが、いわゆる「軽症の高血圧」の方は、非薬物療法(生活習慣の改善)から始めます。ライフスタイルの改善には、これから述べる7つの項目がポイントになります。
降圧薬治療を早くから始めた患者さんでは非薬物療法をなかなか実践できない方がいますが、不摂生が続くと高血圧以外の生活習慣病にも関わってきますので、ぜひ継続して実行してほしいと思います。

血圧が高い方は、薬による降圧治療でしっかり治療することが重要

収縮期血圧140以上、拡張期血圧90以上の人では、薬で血圧を下げる降圧治療によって合併症や死亡率が下がることがわかっています。こうした状況は高齢の方でも同じことがいえますが、高齢者では血圧の下がりすぎによるめまいや立ちくらみなどにも注意することも大切です。

塩分の制限 1日の食塩摂取量を6グラム未満にしましょう

高血圧の原因として、特に食塩(塩化ナトリウム)の過剰摂取にあります。塩分は血液の水かさを増やし、血管の壁も硬くしてしまいますので血圧を上昇させます。
日本人の食塩摂取量は1日平均約11~12グラムと言われており、高血圧の方ではその半分以下、6グラム未満にすることが推奨されています。
しかし急に減塩をすると、食事が味気ないものに感じられてストレスが溜まってかえって長続きしません。味付けを工夫して、徐々に薄味に慣れ、ゆっくり目標値を目指していきましょう。

塩分を取りすぎないコツ

・麺類のスープは飲まずに残しましょう。
・しょうゆやソースはかけずに、少しつけて食べましょう
・インスタント食品や加工食品、スナック菓子は控えましょう
・外食を控えめにしましょう

味付けの工夫

・食塩の代わりに「だし」を効かせたり、「香辛料」をプラスしたりしましょう
・オリーブ油やごま油で風味や香ばしさを出しましょう
・しょうがなどで香りづけし、味付けに変化をつけましょう

食塩の制限を頑張ると、食塩1グラムあたりで血圧も約1~2下がるといわれています。その直接的な血圧低下効果だけではなく心臓や腎臓を守ることにもつながりますし、降圧薬の効果も高めることで、それ以上の降圧効果が見込めます。

1日6グラム未満を達成するには、調理や食事中に使う食塩、しょうゆ、みそなどからの塩分をかなり減らす必要があります。加工食品、インスタント食品の使用や外食の際にも、塩分に気をつけてください。加工食品のなかには、ナトリウムの量を表記し、食塩量は書いてないものがあります。この場合はナトリウム量を2.5倍すれば、食塩の量に換算できます(例:ナトリウム0.4グラム→食塩1.0グラム)

肥満を治す

肥満者はそうでない人に比べて、高血圧が2~3倍多いことがわかっています。肥満は高血圧だけでなく「糖尿病」(血糖値が高い状態)「脂質異常症」(悪玉コレステロールや中性脂肪が高値、善玉コレステロールは低値)の下地になりやすく、心臓への負担もかかりやすいので、心臓血管系合併症の危険因子が集まった状態となるのです。

体重を減らすためには、運動療法だけではなかなか困難ですので、食事療法との組み合わせが非常に大切です。標準体重まで減らさなくても血圧を下げる効果はあり、体重1kgの減量で血圧は「1~1.5」下がるとされています。

こうしたダイエットは「体脂肪」を減らすのが目的で、糖分と脂肪分の制限によってエネルギー摂取を抑えます。一方で「筋肉量」は減らさないほうが良いですので、良質のたんぱく質は十分にとるよう心がけてください。

体重が減っても血圧が下がらない場合もありますが、糖、脂質代謝、血行などの面で効果がありますから、減量は欠かせません。

お酒はほどほどに

飲酒量が増えるほど血圧が高く、高血圧になりやすいこと、毎日飲む人やアルコール依存症の人では禁酒や節酒によって血圧が下がることがわかってきています。
高血圧の患者さんでは、1日のアルコール摂取量を「30グラム以下」に抑えるよう求めています。
これはビール大ビン1本、日本酒で1合、ウィスキーでダブル1杯程度までということになります。女性や体重の軽い人ではこれより少なくするように、という報告もあります。
1日30グラムまでであれば、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞に対して、むしろよい影響があるという研究結果もありますので、アルコールはほどほどに上手につきあうことが大切です。

適度の運動を

降圧を目的にした運動療法は、軽症の高血圧で心臓血管系の合併症がない場合が対象となります。始める前に主治医によく相談してください。歩行・軽いジョギング・自転車・ゆっくりとした水泳などの有酸素運動が適しています。
運動の強さは、脈拍数が1分間に110~120回ぐらいになるようにし、「1週間で150分」を目標で行いましょう。1回60分で週3回か、1回30分で週5~6回することが勧められます。
運動の効果は継続的に行うことで徐々に現れてきます。3~4週目くらいから収縮期血圧・拡張期血圧ともに、約10mmHg程度下がると報告されています。
運動の効果は降圧だけではありません。体重の管理に役立ちますし、血糖値・コレステロール・中性脂肪の改善、ストレスの解消にも良い影響があります。

カリウムを十分に

意外に知られていないのがカリウムの効果です。体内の重要なミネラルの一種であるカリウムは、野菜・果物・豆・いも類に多く含まれていて、ナトリウムを体外に出す働きがあることから、カリウム摂取が多いと血圧を下げる作用があります。
逆に摂取が少ないと血圧を上げるように働くので、いま挙げた食品を十分にとる必要があります。煮たり茹でたりすると、汁にカリウムが溶け出してしまいますので、調理法を工夫しましょう。
ただし、腎臓の悪い人ではカリウムは制限しなくてはなりません。
このほか、食物繊維・カルシウム・マグネシウムを多く含む食物も血圧を下げやすくするとされています。

ストレスの管理を

精神的なストレスや、不眠があると高血圧の原因になっているという確かな証拠はまだありません。しかし、ストレスや不眠によって血圧のコントロールが悪化するのは日常で良く経験するところです。多くの高血圧の方は入院して安静にするだけで、血圧が低下します。これは、リラックスすることで交感神経の緊張状態がとれて血圧が下がるためと考えられています。
もちろん、ストレスを緩和するだけでは高血圧の治療にはなりませんが、日々心身をリラックスさせるように心がけ、ストレスによる血圧の上昇分を取り除くのは大切なことです。

禁煙も大切です

喫煙による血圧への短期的な影響として、血管収縮に伴う一時的な血圧上昇があります。ただ、長期的な血圧上昇作用はまだ証明はされていないとされています。しかしタバコの本数の多い人では血圧が高くなる時間帯が長くなります。また、喫煙は心臓血管系の病気の重要な危険因子ですので、禁煙は降圧治療の目的を果たすための必須条件なのです。
血圧との直接の関係はありませんが、動脈硬化の進展防止、心臓血管疾患のリスク因子を減らすために、ぜひ禁煙しましょう。

「高血圧」まとめです

高血圧を改善させましょう

健康的なライフスタイルを継続することが大切

高血圧と診断された時、そのときの血圧の高さがどれくらいかは重要ですが、高血圧による臓器障害や危険因子の程度をしっかり調べることがとても大切です。これをもとに、医師のアドバイスを受けて生活習慣を改善し、家庭での血圧測定などを継続して実行してください。
降圧治療によって血圧を下げ、生活習慣を見直し危険因子を除くことによって、心臓血管系の合併症を防いだり、減らしたりすることが可能です。
高血圧とうまく付き合っていくために、自分の力でやれる範囲がいかに広く、そしていかに重要であるかがお分かりいただけたら嬉しく思います。
生活習慣の改善と、内服治療などで血圧が良い状態まで下がっても完全に治ったわけではありません。この良い状態を維持していくために、健康的なライフスタイルを続けていってください。


高血圧の診断・状態評価に必要な6項目
(1)血圧はいつも高いか?(140/90mmHg以上か)
(2)高血圧の原因は 本態性?二次性?
(3)高血圧による臓器障害(心臓肥大、タンパク尿など)があるか?
(4)心臓血管系の合併症があるか?
(5)他の危険因子(糖尿病、脂質異常症、喫煙など)があるか、その程度は?
(6)循環器病以外の病気は合併していないか?


生活習慣の改善
(1)塩分制限
(2)肥満の是正
(3)節酒
(4)適度の運動
(5)カリウム、カルシウム、マグネシウムや食物繊維を多くとる
(6)ストレスを避ける
(7)禁煙



ふくおか内科クリニックでは、高血圧の治療に力を入れています。
ご心配な方は、ご相談ください。


ふくおか内科クリニック 院長 福岡勇樹

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