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2021.08.07

血圧はどこまで下げればいいの?(最新の高血圧ガイドラインを解説します)

高血圧

日本高血圧学会による高血圧治療ガイドラインが2019年に改訂されました。
高血圧は生活習慣病の一つであり、放置しておくと心筋梗塞などの心疾患や、脳出血などの脳血管疾患の重大な危険因子であることが知られています。

今までのガイドラインからの変更点:血圧の分類や、血圧の目標値の変更

血圧の分類について

「高血圧」と診断される基準は140/90mmHgと変更はありません。
今まで「正常高値血圧」と呼ばれていた130-139/85-89mmHgは、「高値血圧」に分類されるようになり、基準となる値も130-139/80-89mmHgへと、下の血圧の基準が5mmHg引き下げられました。

同じように、これまでの「正常血圧」(120-129/80-84mmHg)が「正常高値血圧」(120-129/80mmHg未満)へ、「至適血圧」(120/80mmHg未満)が「正常血圧」(血圧値は変わらず)へと変更されています。どうしてこのような変更がなされたかというと、血圧が120/80mmHg未満と比較したときに、血圧が上がるごとに心臓や脳の病気の危険性が上昇することがいろいろな研究から判明したからです。

これまで血圧を下げる薬を飲んでいただく治療開始の目安は140/90mmHg以上の高血圧患者に限られたものでした。しかし最新のガイドラインでは「高値血圧」に対しても、食事療法や運動療法といった生活習慣を見直しても血圧が下がらなければ薬を飲んでいただくことが推奨されるようになりました。

血圧はどこまで下げればいいの?

血圧をどこまで下げるか、という目標値についても見直しがなされ、年齢による分類では若年・中年・前期高齢者が140/90mmHg未満から130/80mmHg未満へ、後期高齢者が150/90mmHg未満から140/90mmHg未満へと引き下げられました(厳しくなってしまいました)。その他、いろいろな病気ごとに目標値が定められていますが、一部の病気で引き下げられています。

ご自宅で血圧を測りましょう!

最新のガイドラインでは、病院で測った「診察室血圧」よりも自宅で測った「家庭血圧」を指標として治療を実施していくことが推奨されるようになりました。ふくおか内科クリニックでは血圧手帳をお渡ししておりますので、ぜひ自宅での血圧をつけてきてもらえれば治療に大きく役立ちますので、よろしくお願いいたします。


ふくおか内科クリニックでは高血圧の治療を積極的に行っております。
最新の研究結果を勉強し、皆様の健康管理に役立てていきたいと考えております。
ご心配な方は是非ご相談いただければ幸いです。


ふくおか内科クリニック 院長 福岡勇樹

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