肥満治療の新しい薬として、世界的に注目されているのがゼップバウンド です。世界ではすでに肥満症の治療薬として使用されており、「体重が大きく減る薬」としてニュースなどでも話題になっています。
一方で、
・ゼップバウンドとはどんな薬?
・本当に体重は減るの?
・副作用はある?
・日本でも使えるの?
・他の肥満治療薬との違いは?
といった疑問を持つ方も多いと思います。
このコラムでは、ゼップバウンドの仕組みや効果、副作用、他の肥満治療薬との違いについて、わかりやすく解説します。
ゼップバウンドとは?
ゼップバウンドは、肥満症の治療に使用される週1回の注射薬です。
有効成分は「チルゼパチド」という薬で、もともとは糖尿病の治療薬として開発されました。その後、体重減少効果が非常に高いことがわかり、肥満症の治療薬としても使用されるようになりました。
この薬の大きな特徴は、体内にある2つのホルモンの働きを強めることです。
・GLP-1
・GIP
これらは「インクレチン」と呼ばれるホルモンで、食事をすると腸から分泌されます。
主な作用は次の通りです。
・食欲を抑える
・満腹感を長く保つ
・胃の動きをゆっくりにする
・血糖値を下げる
ゼップバウンドはこれらの働きを強めることで、自然と食事量が減り、体重が減少しやすくなります。
どのくらい体重が減る?
ゼップバウンドは、これまでの肥満治療薬の中でも特に高い体重減少効果が報告されています。
海外の臨床試験では、平均で体重の15〜20%程度の減少が認められました。
例えば体重80kgの方であれば、
約12〜16kg程度の減量
が期待できる可能性があります。
もちろん、実際の体重減少には個人差がありますが、
・食事改善
・運動習慣
を組み合わせることで、さらに効果が高くなることが期待されます。
ゼップバウンドの副作用
ゼップバウンドはこれまでの臨床試験の結果から、比較的安全性の高い薬とされていますが副作用が起こることもあります。
主な副作用は次の通りです。
・吐き気
・胃のむかつき
・食欲低下
・便秘
・下痢
これらは多くの場合、使い始めの時期に起こりやすいとされています。
そのため治療では、少量から開始して徐々に増量する方法が一般的です。多くの場合、体が薬に慣れると症状は軽くなっていきます。
症状が強い場合は、医師に相談することが大切です。
ゼップバウンドとマンジャロの違い
ゼップバウンドとよく比較される薬に マンジャロ があります。
実は、この2つの薬は有効成分は全く同じで、商品名が違うだけです。どちらもチルゼパチドという薬です。
違いは主に「適応する病気」です。
マンジャロ
→ 2型糖尿病 の治療薬
ゼップバウンド
→ 肥満症の治療薬
つまり、薬の成分は同じでも、治療の目的が異なるという位置づけになります。
ウゴービとの違い
肥満治療薬としてもう一つ注目されている薬が ウゴービ です。
有効成分は セマグルチド で、こちらも週1回の注射薬です。
大きな違いは作用するホルモンです。
ウゴービ
→ GLP-1のみ作用
ゼップバウンド
→ GLP-1+GIPの両方に作用
このため、研究によってはゼップバウンドの方が体重減少効果が大きい可能性が示されています。
日本では使えるの?
厳格な条件を満たした場合、保険適応での処方が可能です。
「高度の肥満(BMI35以上)or 特定の合併症を持つ場合」
であり
「6か月以上食事運動療法に取り組んだ方(2か月に1回以上栄養指導を受ける必要がある)」
であり
「病院が教育研修施設であること(クリニックでは不可)」
を全て満たした場合のみ、医療保険での処方が認められています。
つまり、「BMIが高いから使いたい」いう理由では、保険適用になりません。
それ以外の場合で治療を希望される場合は、自由診療となります。
ゼップバウンドをやめると体重は戻る?
多くの方が気になるのが「リバウンド」です。
ゼップバウンドを中止すると、体重が再び増える可能性はあります。
理由としては
・食欲が元に戻る
・体には体重を一定に保とうとする仕組みがある
・生活習慣が変わっていない
といった点が関係しています。
そのため、ゼップバウンドは生活習慣の改善と組み合わせて使用することが重要です。
体重を維持するために大切なこと
体重を長期的に維持するためには、生活習慣の見直しが欠かせません。
食事のポイント
・タンパク質をしっかり摂る
・野菜や食物繊維を増やす
・甘い飲み物を控える
・間食をしない
・ドカ食い・早食いを避ける
といった基本的な食生活の改善が大切です。
運動習慣
体重維持には筋肉量の維持が重要です。
おすすめの運動は
・ウォーキング
・軽い筋力トレーニング
・自転車
・水泳
など、無理なく続けられる運動です。
まとめ
ゼップバウンドは、これまでの肥満治療薬と比べて非常に高い体重減少効果が期待される新しい薬です。
・食欲を抑える
・満腹感を長く保つ
・自然に食事量を減らす
といった作用により、減量をサポートします。
一方で、長期的な体重管理のためには
・食生活の改善
・運動習慣
・医師との相談
を組み合わせることが重要です。
肥満症は意志の問題だけではなく、ホルモンや代謝も関係する病気です。体重管理に悩んでいる方は、医療機関で相談することで新しい治療の選択肢が見つかる可能性があります。
ふくおか内科クリニックでは、令和8年3月現在、ゼップバウンドと同じ成分のマンジャロを用いた自由診療を行っております。肥満症でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
ふくおか内科クリニック
院長 福岡 勇樹
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