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2022.03.03

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の治療について

甲状腺

バセドウ病の治療にはどんな方法がある?

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られてしまう病気です。
ですので、その治療は甲状腺ホルモンが過剰に作られないようにするために行います。
内服薬治療(抗甲状腺薬)、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術の3つの方法があります。
どの方法を選ぶかは、その人の病気の状態・年齢・社会的状況などによって変わってきます。

内服薬による治療

甲状腺ホルモンの合成を抑える薬(抗甲状腺薬)を、定期的に服用する方法です。
抗甲状腺薬にはメルカゾールとチウラジールがあります。
病気の状態に応じて適切な量の薬を飲んでいれば、数か月で血液中の甲状腺ホルモンの濃度が正常になります。
そうなれば自覚症状も良くなり、普通の人と変わらない生活ができるようになります。
その後徐々に薬を減量し、数年で不要になる場合があります。
抗甲状腺薬にはいくつか注意すべき副作用があります。

・無顆粒球症|細菌と戦う白血球が減ってしまう副作用
・肝機能障害|肝臓に負担がかかる副作用
・皮膚の発疹|皮膚に赤みやぶつぶつが出る副作用

これらが代表的な副作用で、特に内服治療開始の2-3か月の間に出ることが多いです。
そのため、内服をはじめてから2-3か月の間は、2週間おきに通院していただき血液検査で副作用チェックをしていきます。

当院では、抗甲状腺薬にヨウ化カリウムという薬剤を併用することで
抗甲状腺薬の必要な量を減らし、なるべく副作用が起こらないように工夫して治療を行うよう心がけております。

放射線ヨウ素(アイソトープ)治療

放射線が付いた「ヨウ素」を服用して、甲状腺に集まった放射性ヨウ素の働きで甲状腺の細胞の数を減らす方法です。
放射線と聞くと怖いイメージもあるかと思いますが、何十年も前からある安全な治療のひとつです。
甲状腺細胞の数が減少すれば、分泌される甲状腺ホルモンの量も少なくなります。
放射性ヨウ素カプセルの服用後、およそ2〜6カ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少してきます。
手術のように傷が残らず首の腫れが縮小し、薬より早く治るのがこの方法のよいところです。
ただし欠点は、同じように治療しても細胞が減りすぎて、逆に甲状腺の機能低下を起こす場合があるということです。
しかし甲状腺の機能低下は、甲状腺ホルモン薬(チラーヂン)を服用していれば比較的簡単にコントロールできます。
また、アイソトープ治療により眼の症状が悪化することが1%程度起こると報告されています。
治療前に眼科で検査・診察を受け、アイソトープ治療が可能かどうか評価する必要があります。

クリニックではアイソトープ治療はできませんので、秋田県内ですと秋田大学病院と連携して治療を行っていきます。

手術について

過剰にホルモンを分泌している甲状腺を切除する方法です。
ホルモンの分泌元である甲状腺を切除することにより、ホルモンの過剰産生を良くすることができます。
手術は外科に紹介し、基本的に全身麻酔で行います。
現在、手術療法が望ましい方には、甲状腺の全て、またはほぼ全てを切除することが勧められています。
この手術方法によって、手術後に再発することはほとんどなくなります。
一方で甲状腺機能低下症になった場合は、甲状腺ホルモン薬の内服が必要となります。
内服する量が決まれば甲状腺機能は一定になり体調も安定します。

3種類のうち、どの治療が良いの?

まず最初は内服薬で治療するのが一般的です。
薬でうまくコントロールできない場合や、副作用で続けられない場合には、アイソトープ治療か手術が選択されます。

ふくおか内科クリニックでは甲状腺治療に力を入れています

甲状腺の治療をするには、正しい診断、正しい知識で治療を行うことがとても大切です。
心配事がある際は、ぜひご相談ください。


ふくおか内科クリニック 院長 福岡勇樹

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